日本とアメリカ間(日米間)の贈与時のタックスリターン − 贈与税・ギフトタックス・GIFT TAX −

「日本からアメリカにいる子供や知人に贈与をしたい。その場合の贈与税(ギフトタックス・GIFT TAX)は?」というお問い合わせをお客様からよく受けます。日本とアメリカでは、贈与(GIFT)に対する贈与税(ギフトタックス・GIFT TAX)の仕組みは異なります。ここでは、日本の親からアメリカ(米国)へ送金してもらった場合の日米間贈与上の注意点などについてご説明いたします。

日本とアメリカ間(日米間)の贈与時のタックスリターン − 贈与税・GIFT TAX −

日米間の贈与税(ギフトタックス)比較

贈与税(ギフトタックス)を払うのは:(日)貰った方、(米)あげた方 と大きく違います。
非課税枠:
(日)貰う人一人に付き年間110万円、
(米)あげる人一人に付き年間1万3千ドル(2010年1万3千ドル)、
つまり日本では父親1人から120万円を年簡にもらえば贈与税(ギフトタックス)の対象になりますが、米国では父親と母親から別々に1万3千ドル(2010年)ずつもらっても対象になりません。日本では上記の年間非課税枠以外に住宅取得資金特例550万円、相続時清算課税2500万円などがあります。
アメリカでの生涯非課税贈与額は、1ミリオンです。

日本の国税庁からの問い合わせ

日本の銀行からアメリカの銀行に100万円以上の送金をした場合には国税庁に報告が行くことになっており、日本の親から送金をうけた場合などは、送金をしてから数年後に送金内容に関する問い合わせを受けるケースがあります。
その場合、(送金者の)投資なのか、(送金を受けた側への)贈与なのか、貸付なのかきちんと書類に残して回答できるようにしておきましょう。贈与覚書、金銭貸借契約書および金銭返済計画書などを作成しておくべきです。

日本国税法適用外

どちらも日本国籍をもっている場合には米国の財産でも贈与の場合、日本国税法の適用を受けます。ただし両方とも米国に5年以上滞在していている場合には原則、日本国税法適用外となります。たとえば米国に居住している米国グリーンカード保持者の親子などでの米国内財産に関しては米国税法のみの適用になります。日本国内財産は居住地に関わりなく日本の税法の適用になります。
2000年4月1日以前は、米国口座(日本国外財産)の米国在住者(非日本国居住者)への贈与は日本税法適用外で相続対策に使われていました。贈与税で話題になった武富士事件では追徴税額が1300億円を超え1審では原告勝訴、2審では国税庁勝訴と判断が裁判所でも分かれています。

アメリカの贈与税(ギフトタックス・GIFT TAX)

贈与をするのが非居住者(日本にいる親など)の米国内財産が有形(不動産、現金、美術品、貴金属・宝石、自動車など)であれば課税対象です。無形資産(株式、債券、有価証券、手形、著作権など)であれば非課税です。
受贈者が配偶者でアメリカ市民であれば贈与税はかかりません。市民以外(グリーンカード、ビザ保持者など)は2008年128,000ドル、2009年133,000ドルまでが非課税です。
年間の非課税枠、生涯非課税贈与額1ミリオンの活用、この2点を検討する必要があります。この2点を検討して該当する場合には、贈与者(あげる方)に18〜45%の推進税率による連邦贈与税が課されます。実際に課税対象にならなくても報告をしておくことが重要です。
ニューヨーク、コネチカット、デラウエア、ノースカロライナ、ルイジアナ、テネシーの6つの州では州の贈与税の申告が必要です。

贈与報告書(ギフトタックスリターン)の罰則

米国非居住外国個人(親など)又は外国遺産から年間に10万ドル以上贈与を受けた場合、贈与報告書(ギフトタックスリターン)FORM3520をタックスリターン期限である翌年4月15日までに提出する必要があります。
外国法人又は外国パートナーシップから14,165ドル(2010年の場合、2009年は14,139ドル)を超えた贈与を受けた場合にも同様に報告が必要です。
アメリカではもらう側(子供など)には贈与税がかからないにも関わらず、この報告をしなかった場合、大きな罰金がかかります。
贈与額(贈与税額ではありません)の報告遅延一ヶ月につき5%ずつ最高25%のペナルティーがかかります。
例えば、20万ドルもらった側は、税金がかからないはずなのに、報告を怠ったために5万ドルのペナルティーを払う必要がでてくることもあります。

贈与税確定申告書(ギフト タックス リターン)作成依頼・お問い合わせ

ギフト・タックスリターン(GIFT TAX RETURN)は、FORM 709 United States Gift (and Generation-Skipping Transfer) Tax Returnを使用します。贈与税・ギフトタックスリターンに関するお問い合わせや依頼は、こちらからお願いします。